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腐りかけの豆が、何ヶ月にいっぺん小説を吐き出す場。 主にtwitterに生息。 せめて2ヶ月にいっぺんくらいの更新に持っていきたい。
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 初めて君と出会ったのも、今日みたいな夕焼けの綺麗な日だったね。

 君はここで、静かに笑いながら夕焼けを見つめていた。僕がここに連れてこられて、君の隣に座った時、僕の顔を見ても君は少しも表情を変えなかったね。

 僕は、表情には出さなかったけれど、驚いたよ。
 
 だって、君と僕は同じ顔をしていたから。違うのは、髪の色と服装だけだった。

 僕らは双子。
 
 ずっとずっと前、離ればなれになってしまった、同じ瞳と顔を持つモノ。



 あれから沢山、一緒に踊ったね。時々傷つきながらも、一生懸命働いたよね。

 何年も、何年も、僕らは同じダンスを繰り返した。団長は替わっていくけれど、ぼくらはずっと一緒だったね。

 傷つくところも、治してもらうのも一緒。どんなに辛くても、文句一つ言わずに、二人で耐えたよね。

 楽しみだったのは、僕らのダンスを見てくれる子供達の笑顔。

 特にあの子の笑顔は、いつもキラキラ輝いていたね。エメラルドグリーンの優しそうな瞳をもつ、可愛らしい女の子。

 いつからか、女の子は来てくれなくなってしまったけれど、他の沢山の子供達に囲まれて、僕らは幸せだったよね。

 
 いったい、出会ってからどれだけの時が経ったろう。50年?100年?もっとだろうか?

 僕らもとうとう、ボロボロになってしまった。

 今日は、あの夕焼けに飛び込む日。

 最後まで、僕らはずっと一緒だよ。

 さあ、行こう。あの燃え盛る夕焼けに。

 団長が、僕らを持ち上げて、投げ込もうとする。

『まって』

 団長の手が、止まった。
 
『その子たちは、私が引き取ります』

 女の人の声がする。

 団長は、もうこいつらはボロボロで、動かすことすら出来ないよ、と言った。

『それでもいいの。その子たちは私の幼い時に、私に唯一笑顔をくれた大切な子たちなの。ずっと探していて、ようやく見つけた。いくらでもお金なら払うから、どうか燃やさないであげて』

 僕らは団長が振り向いて、ようやく女の人の顔を見ることが出来た。しわくちゃの顔に、綺麗なエメラルドグリーンの優しそうな瞳。

 ああ、そっか。あの時の女の子だ。

 団長は、金なんかいらない、貰ってくれるならこいつらも喜ぶだろうって、そっと女の人に僕らを手渡した。

『あんた、変わった人だな。こんなボロボロのマリオネット、アンティークだって言っても誰も欲しがらないよ』

 夕焼けが、遠ざかる。真っ赤な夕日に近かったところが、まだ熱い。

 女の人が、囁いた。

『君たちは、ずっと一緒よ。私がちゃんと治してあげるから、また私に笑いかけてくれる?”夕焼け色の瞳のマリオネット”さん』

 

 僕らはあれからずっと、彼女の部屋の窓辺で外を見ている。

 僕らは、彼女の家にきてから、本当の夕焼けと青空を知った。

 

 これからも、ずっと一緒だよ。

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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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プロフィール
HN:
まめがら茶
性別:
女性
自己紹介:
色んな世界の物語を書いています。
大体は異世界・現代ファンタジー。


好きな小説は、
上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』、
荻原規子さんの『白鳥異伝』、
香月日輪さんの、大江戸妖怪かわら版シリーズ。
和を感じられるお話が好きです。

それから、アレックス・シアラーさんの『チョコレート・アンダーグラウンド』も、何度か読み返しました。

佐竹美穂さんの挿絵が小さい頃から好きだったのですが、
小学一年生の時に上橋さんの『虚空の旅人』と一緒に
分厚い上中下巻の『封神演義』を読んだのは無謀だったかな……

絵は、一番好きなのはアルフォンス・ミュシャ、特に『黄道十二宮』です。

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