小さな小さな村に住む、少女の話。
双子の少女は、とても仲が良かった。
いっつも二人だけでおしゃべり。他のだあれもよせつけない。
彼女たちは四六時中手をぎゅっと固く結んで、どんなときでも離さなかった。
もし手を離す時は、お姉ちゃんがいつも首にかけている小さな鍵を、
手と手の間に差し込んで、くるっとひとひねりして“解錠”して離す決まりだった。
妹はお姉ちゃんが大好きだから、鍵なんかなくなれば良いのにと思っていた。
そうすれば、ずっといっしょにいられるから。
その日は妹が初めて村長からの教えを受ける日で、妹は泣きながら
「行きたくない」と訴えた。
お姉ちゃんはとても心が痛んだが、そっと鍵を外し、妹を見送った。
それでも心配だったお姉ちゃんはこっそり後ろからついていって、
妹の様子を見にいった。
妹は最初、不安そうに周りを見回していたが、隣に座った
同い年の女の子が話しかけてきて、おずおずと話し始めた。
教室が終わってからもずっとおしゃべりをしていて、いよいよ
帰る時、二人は手をつないで帰っていった。
お姉ちゃんは、寂しい気持ちでいっぱいになり、どうしたらいいかわからなく
なって、家にかけて戻った。
お姉ちゃんが先について居間にいると、外でにぎやかな声がして、妹が
帰ってきた。
お姉ちゃんが楽しかったかと聞くと、楽しかったよ、お隣さんちの子と仲良くなった、
明日も一緒に行くんだ、と笑っていった。
さ、手をつなごう。
姉が妹の手をとって、いつもの様に施錠をする。
それからも妹はずっと浮かれていて、夕飯のときも、父親と母親に
初めての友達の話ばかりをしていた。
次の日。妹はいつもよりずっと早く起きて、姉に支度をせかした。
早くしないと、あの子が行っちゃうよ。早くカギをあけて。
お姉ちゃんは思わず、嫌だ、行かせない、と、カギを開けるのを渋った。
その瞬間、妹はもういいよ、と叫んで、姉の手を無理矢理ほどいて
駆け出していってしまった。
妹が楽しんで帰ってきて、お姉ちゃんただいま、と声をかける。
しかし、姉の返事はない。
どれだけ捜しても、姿はどこにも無かった。
母親に、お姉ちゃんはどこ、と聞いたが、お前は一人っ子だよ、
と言われてしまう。
姉を捜して泣く妹に、母は言った。
お前には、お姉ちゃんはいないが、お前が赤子の頃、とても小さくて
体が弱かったので、毎日近くのほこらにいって、この子を守ってくだ
さいとお祈りしたもんだ。少し大きくなってから、お前は何も無いと
ころに話しかけたり、右手を使わなくなったりしたが、
そのかわり、怪我もしないし、健康に育ってくれた。
もしかしたら、神様が何かしてくださっていたのかもしれないね。
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あんまりにも何も挙げてない状態が続いているので、ちょこっとだけ。
今週末が過ぎればしばらくまた時間が出来るので、何とか進められないかなと思いつつ。
次は歯車に手を付けたいところ。というか今歯車で突っかかっているところなので
もうしばらくかかりますが、よろしければお付き合いくださいな。
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プロフィール
HN:
まめがら茶
性別:
女性
自己紹介:
色んな世界の物語を書いています。
大体は異世界・現代ファンタジー。
好きな小説は、
上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』、
荻原規子さんの『白鳥異伝』、
香月日輪さんの、大江戸妖怪かわら版シリーズ。
和を感じられるお話が好きです。
それから、アレックス・シアラーさんの『チョコレート・アンダーグラウンド』も、何度か読み返しました。
佐竹美穂さんの挿絵が小さい頃から好きだったのですが、
小学一年生の時に上橋さんの『虚空の旅人』と一緒に
分厚い上中下巻の『封神演義』を読んだのは無謀だったかな……
絵は、一番好きなのはアルフォンス・ミュシャ、特に『黄道十二宮』です。
大体は異世界・現代ファンタジー。
好きな小説は、
上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』、
荻原規子さんの『白鳥異伝』、
香月日輪さんの、大江戸妖怪かわら版シリーズ。
和を感じられるお話が好きです。
それから、アレックス・シアラーさんの『チョコレート・アンダーグラウンド』も、何度か読み返しました。
佐竹美穂さんの挿絵が小さい頃から好きだったのですが、
小学一年生の時に上橋さんの『虚空の旅人』と一緒に
分厚い上中下巻の『封神演義』を読んだのは無謀だったかな……
絵は、一番好きなのはアルフォンス・ミュシャ、特に『黄道十二宮』です。
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