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腐りかけの豆が、何ヶ月にいっぺん小説を吐き出す場。 主にtwitterに生息。 せめて2ヶ月にいっぺんくらいの更新に持っていきたい。
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冬の朝は寒い。
そうでなくても女子学生たちは、スースーするスカートに紺色ソックスで、大して防寒も出来ないと言うのに、冬の風は、スカート丈を最大限に伸ばしても、否応無しに彼女たちを心から冷やしていく。
凍えながら教室の中に入ると、人のぬくもりとストーブの暖かさで、それはそれはほっとするものだ。

中学生には、朝読の時間というものがある。
ホームルーム前に15分間、漫画以外の本を読むだけの時間だ。
一分前には騒がしかった教室が急に静まり返り、各々好きな本を取り出して、ただただ読み進める。
しかし、中には読んでるふりをして、ぼんやりしているだけの者もいる。
由美子のように。
とにかく寒い。入った瞬間はほっとしたって、席が廊下側の一番後ろじゃ、暖かさなどすきま風に持って行かれてしまう。
女子にはブランケットというオシャレ防寒アイテムもあるが、この冷気の前ではぺらぺらの紙同然である。

鼻も垂れてきた。ずるりと啜る。
静かな教室に、鼻水を啜る音がよく響く。
二度目に啜った時、隣の席の太一も同時に鼻をすすった。少しの気まずさが二人の間に漂う。
それに気を取られたせいか、あちらこちらで鼻を啜る音がすることに、ふと気付いた。

時に一人で、時に和音の様に、妙なリズムの良さで。
鼻をすする音は何かしらの音楽を演奏しているようにも聞こえた。
ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃっちゃ。
本をめくる音、姿勢を変えるときの衣擦れの音、風が窓をゆらす音までが、それに加わる。
斜め前の席の光太郎が、かすかにリズムに合わせて足踏みを始めた。二つ前の律子は、本を持っている指がハードカバーの表紙をコツコツと打ち付けている。二つ隣の京子など、何を血迷ったのか、ヘッドバンキングをしているではないか。
気付くと自分も鼻水を啜る音を合わせ、足を踏み鳴らす。教室中の音が合わさり、重なり合い、巻き上がり、壮大なオーケストラへと発展していく……

鐘の音とともに先生が本を閉じた。号令係が鋭く起立と声をあげる。由美子も慌てて立ち上がり、お辞儀をした。
みんなが何事もなかったかのように着席するのを、由美子は目をぱちくりさせてみながらも、大人しく座り、また退屈な現実に戻って行ったのだった。











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中学生のとき、由美子と違って、朝読の時間が楽しみで仕方ありませんでした。

まあ朝に限らず一日中ずっと読んでいたのですが、学校の、しかも教室で、
静かに本を読める時間というのはとても貴重でした。

しかし、冬は寒い。特に廊下側など、冷えは女の子の敵でして、
ブランケットなんてオシャレな名前のものはありませんでしたが(私が使っていないだけですが)、
コートだったりマフラーだったり何かしらを膝にかけていた記憶があります。それでも、寒いのです。

そういう風に、どんな好きな読書でも、さすがに集中できないときがありまして。
そんなときに出会った、というか気付いてしまったのが、この鼻水オーケストラです。
決して教室に限らず、バスの中、電車の中、会社の中、至る所でサプライズ生演奏されます。
これに一度気付いてしまうと、抜け出すのは困難です。
三人の鼻水を啜る音が綺麗にハモったときなど、弦楽器がジャン!と音を合わせたと錯覚してしまうのです。

鼻水オーケストラの講義はこれくらいにしておきましょうか(笑)
あまりやると、貴方もこのオーケストラに捕われてしまいますので……!

あ、いつも以上にふざけた内容かもしれない。申し訳ない(笑)
ここまで読んで下さって、ありがとうございました。



 
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プロフィール
HN:
まめがら茶
性別:
女性
自己紹介:
色んな世界の物語を書いています。
大体は異世界・現代ファンタジー。


好きな小説は、
上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』、
荻原規子さんの『白鳥異伝』、
香月日輪さんの、大江戸妖怪かわら版シリーズ。
和を感じられるお話が好きです。

それから、アレックス・シアラーさんの『チョコレート・アンダーグラウンド』も、何度か読み返しました。

佐竹美穂さんの挿絵が小さい頃から好きだったのですが、
小学一年生の時に上橋さんの『虚空の旅人』と一緒に
分厚い上中下巻の『封神演義』を読んだのは無謀だったかな……

絵は、一番好きなのはアルフォンス・ミュシャ、特に『黄道十二宮』です。

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