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腐りかけの豆が、何ヶ月にいっぺん小説を吐き出す場。 主にtwitterに生息。 せめて2ヶ月にいっぺんくらいの更新に持っていきたい。
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 僕の学校の教室には、教室の端から端まである、長い黒板がある。



 真ん中にちょっと出っ張ったつなぎ目があって、書きにくい。
 先生たちはたびたび、そこで苦戦している。


 先生の中でも、板書が汚くて有名な国語の佐山田先生は、自分の板書が汚いことを、黒板やチョークのせいにする。

 黒板が汚れているから読みにくいんだとか、真ん中の出っ張りのせいで字が切れるんだとか。


 今日の授業でも、佐山田先生はぶつぶつ文句を言っていた。
 黒板が広すぎるだの、何だの……
 黒板は、何も悪くないのになぁ。
 



 実は僕は、佐山田先生の授業では、大抵の場合、教科書の手前に本を隠して読んでいる。

 先生の授業は、教科書に書いてあることを殆どそのまま黒板に書いて、教科書を読み上げて、あとは自分の自慢話ばかり。
 
 題材になるような小説を、考えながら読んだほうが、よっぽどためになる。
 そう思ってから、僕は授業中にこっそり、本を読み出した。

 今日読んでいるのは、僕らと同じ高校生が活躍する、推理小説。
 この前ちょっと難しいのを読んでしまったので、コメディー要素の多い本を選んだ。
 


 先生が長い長い自慢話に一区切りをつけ、板書をしようと黒板に向き直った時。

 僕の読んでいた小説では、主人公が、夢の中で授業を受け、黒板に向かっている先生を見ているという場面にさしかかった。

 主人公も、教科書の陰に隠れて、小説を読んでいる。

 彼は夢の中で、急に本をパタパタと閉じたり開いたりし始めた。

 それと連動するように、黒板がパタパタと動き出す。

 彼は夢から覚めて、そうだ、そのトリックを使ったんだ!とベッドの上で叫んで、飛び起きる。



 黒板が、本のようにパタパタ閉じたり開いたりする、なんて……

 僕は、自分の教室の黒板を改めて見た。

 そういえば、黒板の真ん中のつなぎ目が、本の背表紙に見えなくもない。

 蝶番のようでもある。


 先生が再び、自分の自慢話をし始めた。何度も繰り返し聞かされている、高校生活三年間を通して国語のテストで学年一位をとっていたという話だった。

 一番退屈な話だ。


 僕は、何気なく、軽く本をパタパタさせてみた。

 すると、どうしたことだろう。ほんの少しだが、黒板が揺れだしたのだ。


 僕は目を見開いた。
 先生は、自慢話に夢中で、黒板が揺れていることなど全く気付いていない。
 一緒に授業を受けているクラスメートも、みんな寝てるか落書きをしているかで、黒板を見ていない。

 さっきよりも強く、パタパタしてみる。

 黒板は僕の動作に合わせて、静かに、重たそうに、開閉を繰り返した。
 


 うそだろ。僕はもしかして、主人公と同じように夢の中なのか?

 ほっぺたをこれでもかとつねった。痛い。うん、夢じゃない。



 僕は面白くなって、更に強く本をパタパタさせた。

 黒板はかなりの勢いで開閉を繰り返している。その時。


「おい、藤村!何をしてるんだ!」
 

 まずい、パタパタしているのを先生に見つかってしまった!

 本を取り上げられてしまう!

 急いで、本を閉じる。

 連動して、黒板も両側がだんだん閉じていってーー





 『BAN!!』






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 私が通っていた高校の黒板は、ほんとに細長かった。
 あと、上の方が高くて、書きにくかった。
 背の低い私には、いじめとしか思えない。
 真ん中が出っ張っているのも、結構みんな邪魔だと思っていたみたいです。
 実際、書きにくかった……

 字が汚い人ほど、直す気はない様に思えます。
 特に先生は、自覚してないのか、汚い人は汚いままのような気がします。
 私も人のことは言えないけれど、汚いという自覚はあるので、美文字トレーニングでもまた始めてみようかな。

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プロフィール
HN:
まめがら茶
性別:
女性
自己紹介:
色んな世界の物語を書いています。
大体は異世界・現代ファンタジー。


好きな小説は、
上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』、
荻原規子さんの『白鳥異伝』、
香月日輪さんの、大江戸妖怪かわら版シリーズ。
和を感じられるお話が好きです。

それから、アレックス・シアラーさんの『チョコレート・アンダーグラウンド』も、何度か読み返しました。

佐竹美穂さんの挿絵が小さい頃から好きだったのですが、
小学一年生の時に上橋さんの『虚空の旅人』と一緒に
分厚い上中下巻の『封神演義』を読んだのは無謀だったかな……

絵は、一番好きなのはアルフォンス・ミュシャ、特に『黄道十二宮』です。

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